The Limit of Sleeping Beaty

ネタバレ有り

 

 

 

 

 

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本当にやばい映画だこれって感じ。具体的にいうとドラッグの類だよね。
冒頭のセリフがそのまま、内容を示唆しているというけど、観客にも当てはまると思うんだよな。
絶え間なく現れる世界に、感情がついていけたらね?って。
一貫したストーリーとか、カタルシスとかそんなのはどうでもいい。
ぐるぐる変わる世界に酔う気持ちを楽しむ映画。

Hummingbirdを流す時の高橋一生のドヤ顔がかっこいいと同時に、現実感のなさが凄かった。
あぁこういうの、なんていうんだっけ、って言葉を探していたんだけど、今日ピタリとはまる言葉が出てきた気がする。「笛吹き男」と言うんかな。
最高の音楽に、誰にも擦り寄らないアキが子供のようにはしゃぐ姿が可愛くて、踊るカイトの存在の危うさも相まって、完全に夢世界だった。
高橋一生はそういう舞台装置として最高に機能している。
それでも世界は美しい、という発言、死ぬ人間がするなよ、とおもったけれど、私もいつかどこかへ消えるなら、私の色眼鏡が汚いだけで、世界は穏やかで優しいことは知っているよ、と思わず残してしまうんだろうな。
世界への手向けなのかもしれない。
消えるのは私でも、それは私の「世界」を消すわけだから。

いや、死なないよ。

 

 


最後、子供のような笑顔で一度笑って出ていく姿が最高だった。

目が覚めて、映ったかどうかすらわからない現実の世界を彼女は歩き始めるんだろう。

秘封倶楽部好きにぶっ刺さりそうな内容。

 

何故夢現に焦がれるのか、とか考えていた。

どれだけ大切にしても、心地よくても、夢でしかないこと。

それに見切りをつけて、目を覚ますこと。

「泣きながら前に進むことを選ぶ」に共感するのかもしれない。


ブッチの声がいい感じに高くて耳触りがいいのが個人的にグッドポイント。

 一部である彼が、「お前はお前だよ」と送り出すのがいい。それが彼の愛情なんだろう。

白兎のように時計を見て、終わりの時間を告げる姿もよかった。

 

 

とにかく、総評として、画面の美しさ、アキ/カイト/ブッチの舞台装置としての一貫性、 そして音楽にむちゃくちゃ重きを置いている映画だった。

この映画にストーリーを問うことは、あまり意味がない。

 

夢から醒めて、歩き出す。

タイトルすら美しいな。

 

 

 

 

 

 



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最高のプレイリスト。

お酒飲んで、爆音で音楽聴いて、踊って、そんな夜を過ごしたいんだろうな。